介護職で多いと言われているバーンアウト(燃え尽き症候群)とは、心の病の1つで、熱心に介護の仕事を続けていた人が突然、無気力になり、仕事に行くことさえできなくなってしまうものです。
これは、真面目に仕事に取り組んできた人ほど発症の危険性があります。

それでは、なぜ介護職にバーンアウトが多いのでしょうか。
人を対象として行うサービス現場では、コミュニケーション能力が高い人ほど、常に気を張り、気を回し、自分の感情や気持ちを抑えることで、本人も気づかないうちに大きなストレスが発生するのです。
そのため、バーンアウトが起こりやすいと考えられています。

職員は、日々、努力を重ねています。
それでも、自分のケアが常に正しいとは限りません。
がんばっても、評価の対象とならず、成果が実るとは限りません。
努力に見合っただけの達成感が必ずしも得られないのです。
また、介護職の現場では、常に人の生死に関わる責任感が必要です。
結果、必要以上なストレスが発生するのです。

バーンアウトには、倦怠感だけではなく、食欲不振や、不眠などの体の兆候が現れます。
また、精神的には、怒りっぽくなったり、人と接することに極度な疲労感を感じたり、プライベートと仕事の境がなくなってしまったり、心に余裕がなくなったりなどのような兆候が出ます。

これらの兆候にいち早く気づき、まずは十分な休養を取る必要があります。
心に余裕がなくなった時に、無理をせず、1人で仕事を抱え込まず、悩みを相談し、人に頼ることも大切です。
また、職場内でも、スタッフ同士お互いにバーンアウト予防のために日々注意し合う心がけも忘れないでください。